2021/09/15 02:34

目標は1人3.9トン!
研究を主導した国立環境研究所の小出瑠研究員に聞いてみると、日本人が生活の中で出す温室効果ガスの量は、1年間に1人あたり平均で7.1トンにのぼるそうです。

今、世界では、温暖化による気温の上昇を、19世紀後半と比べて1.5℃に抑えることが共通の目標になっています。

これを達成できないと、「最高気温50度近く」「スーパー台風」など私たちの命を脅かすような極端な現象が頻繁に起きるリスクが高まるからです。

ただ、この目標を達成するには、9年後の2030年までに1年間に1人あたり3.9トン(!)を減らす必要があるということです。

57の対策の中で、気軽に始められて効果も高いと感じたのが、「衣類を長く着る(0.19トン削減)」です。

実は、服は素材に石油由来のものが使われていることも多く、焼却処分した際に温室効果ガスが出ることが問題となっています。

★★57の対策と効果★★
57の「対策」と「削減効果」を詳しく紹介します。

画面をスクロールしながら、自分の生活に取り入れられる対策を選んで、その効果を確認してみましょう。

「住宅」の温室効果ガス削減量(15)

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▼自宅を「ライフサイクルカーボンマイナス住宅」に 2.1 トン
自宅を、屋根の太陽光発電と高い省エネ性能によって、日常的なエネルギー消費を実質ゼロにし、建物の建設やメンテナンスによる温室効果ガスの排出量も打ち消す「ライフサイクルカーボンマイナス住宅」に移行した場合。

▼自宅を「ゼロエネルギー住宅」に 1.8 トン
自宅を、屋根の太陽光発電と高い省エネ性能によって、日常的なエネルギー消費を実質ゼロにする「ゼロエネルギー住宅」に移行した場合。

▼自宅を「準ゼロエネルギー住宅」に 1.4 トン
自宅を、屋根の太陽光発電と高い省エネ性能によって、日常的な外部からの電力供給を25%に抑える「準ゼロエネルギー住宅」に移行した場合。

▼太陽光パネルを導入(調理器をIHに) 1.4 トン
自宅の屋根に太陽光パネルを設置して消費電力と同じ量を発電し、調理器をIHにして調理用のガスの消費量をゼロにした場合。

▼太陽光パネルを導入 1.3 トン
自宅の屋根に太陽光パネルを設置して消費電力と同じ量を発電した場合。

▼自宅の電力を再エネに 1.2 トン
自宅の電力を再生可能エネルギー由来100%に切り替えた場合。

▼自宅をコンパクトに 0.24 トン
自宅の床面積を集合住宅の平均水準(約30平方メートル)までコンパクトにした場合。

▼太陽熱温水器を導入 0.18 トン
自宅に太陽熱温水器を導入してガスボイラーと併用し、給湯に必要なエネルギーの半分近くを太陽熱で賄って、給湯用のガスや灯油の消費量を削減した場合。

▼断熱リフォームを行う 0.14 トン
自宅をリフォームして「断熱等性能等級4」相当にした場合。

▼ヒートポンプ給湯器を導入 0.12 トン
自宅にヒートポンプ給湯器を導入して電力で給湯を行い、給湯用のガスや灯油の消費量をゼロにした場合。

▼自宅の暖房をエアコンだけに 0.12 トン
暖房にガスストーブや石油ストーブを使わず、代わりにエアコンを使った場合。

▼自宅でウォームビズ・クールビズ 0.11 トン
「断熱等性能等級2」相当以下の住宅で、ウォームビズやクールビズの服装をすることで、冷暖房のエネルギーを減らした場合。

▼自宅の電球をLEDに 0.09 トン
自宅の電球をすべてLEDに置き換えた場合。

▼ナッジによる省エネ 0.06 トン
行動経済学の観点から自発的に行動を変えてもらう「ナッジ」によって省エネが行われ、自宅でのエネルギー消費を3%削減した場合。

▼自宅の窓を二重窓に 0.05 トン
自宅の窓を断熱性能の高い二重窓に替えた場合。

「移動」の温室効果ガス削減量(22)

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▼ライドシェアの利用 0.51 トン
マイカーやタクシーに4人が乗り合わせて移動する場合。

▼マイカーを電気自動車に(再エネで充電) 0.47 トン
マイカーを電気自動車に買い替え、充電を再生可能エネルギー由来の電力で行った場合。

▼市内移動を公共交通機関で 0.41 トン
通勤・通学以外の目的で市内を移動する際に、マイカーを使わず、代わりにバス・電車・自転車を同じくらい利用した場合。

▼マイカーをPHEVに(再エネで充電) 0.38 トン
マイカーをプラグインハイブリッド車(PHEV)に買い替え、充電を再生可能エネルギー由来の電力で行った場合。

▼テレワークの実施 0.28 トン
完全テレワークを実施し、通勤をゼロにした場合。

▼自宅と職場・学校の距離を近く 0.26 トン
通勤・通学の時間を1日あたり平均30分に短縮した場合。

▼マイカーをPHEVに 0.25 トン
マイカーをプラグインハイブリッド車(PHEV)に買い替えた場合。

▼通勤・通学を公共交通機関で 0.24 トン
通勤・通学目的で移動する際に、マイカーを使わず、代わりにバス・電車・自転車を同じくらい利用した場合。

▼マイカーを電気自動車に 0.24 トン
マイカーを電気自動車に買い替えた場合。

▼カーシェアの利用 0.21 トン
マイカーを購入せずにカーシェアを利用した場合。

▼長距離移動を公共交通機関で 0.19 トン
県境をまたぐような長距離移動でマイカーを使わず、代わりにバス・電車を利用した場合。

▼コンパクトな街に住む 0.19 トン
買い物・通院・余暇活動などの移動時間が、1日あたり平均10分になるコンパクトな街に住んだ場合。

▼マイカーをハイブリッド車に 0.19 トン
マイカーをハイブリッド車(プラグインハイブリッド車を除く)に買い替えた場合。

▼帰省をオンラインで 0.17 トン
帰省をオンラインで行い、家族を訪問するための移動距離をゼロにした場合。

▼休暇を近場で過ごす 0.15 トン
宿泊旅行の移動距離を90キロ以内にとどめ、旅行目的での飛行機の利用がなくなり、マイカーや公共交通機関などの移動距離も短くなった場合。

▼エコドライブを行う 0.15 トン
マイカー(ガソリン車・ディーゼル車・ハイブリッド車)の燃費が20%向上するように運転した場合。

▼まとめ買いをする 0.15 トン
買い物に行く頻度を1週間あたり
1回に減らした場合。

▼マイカーを軽自動車に 0.13 トン
マイカーを軽自動車に買い替えた場合。

▼休暇を国内で過ごす 0.10 トン
海外旅行の代わりに行う宿泊旅行の移動距離を、国内線の飛行機の移動距離の平均まで短くした場合。

▼週末を地元で過ごす 0.06 トン
週末を近場で過ごし、レジャー目的で列車・バス・マイカーを利用する距離を、自転車による移動距離の平均まで短くした場合。

▼国内線の飛行機移動を列車に 0.04 トン
国内線の飛行機を利用せず、代わりに長距離列車を利用した場合。

▼タクシー移動をバス・自転車に 0.02 トン
タクシーを利用せず、代わりにバス・自転車を同じくらい利用した場合。

「食」の温室効果ガス削減量(10)

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▼食事を完全菜食(ヴィーガン)に 0.34トン
肉・魚・乳製品・卵を食べず、代わりに豆類・穀物・野菜などを食べる生活をした場合。

▼食事を菜食(ベジタリアン)に 0.22トン
肉・魚を食べず、代わりに乳製品・卵・豆類・穀物・野菜などを食べる生活をした場合。

▼食事の肉類を代替肉に 0.19トン
肉を食べず、代わりに大豆ミートなど豆類やその加工品を食べる生活をした場合。

▼菓子・アルコール・ジュースを減らす 0.13トン
菓子・スナック類・アルコール・清涼飲料水の消費量を、国が推奨する「食事バランスガイド」に基づいた健康的な食生活の水準まで減らした場合。

▼バランスの取れた食事に 0.12トン
食事全体を、国が推奨する「食事バランスガイド」に基づいた健康的な食生活のバランスに整えた場合。

▼食事の肉類を魚類に 0.07トン
肉を食べず、代わりに魚を食べる生活をした場合。

▼食事の肉類を鶏肉のみに 0.07トン
牛肉や豚肉などを食べず、代わりに鶏肉を食べる生活をした場合。

▼食品ロスをゼロに 0.05トン
食品ロスをなくし、その分だけ食料の購入量を減らした場合。

▼旬の野菜や果物を食べる 0.04トン
旬の野菜や果物を食べて、農業用ハウスで栽培されるものを食べない生活をした場合。

▼地元で採れた野菜や果物を食べる 0.01トン
地元で採れた野菜や果物だけを食べる生活をした場合。

「その他」の温室効果ガス削減量(10)

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▼レジャーをアウトドアや地域で 0.25 トン
エネルギー消費が多い娯楽施設(遊園地・映画館など)でレジャーを行う代わりに、アウトドアやスポーツ、地域での文化活動などで過ごす場合。

▼衣類を長く着る 0.19 トン
服を長く着たり、古着を活用したりすることで、1年あたりの衣類の購入量を4分の1程度まで削減した場合。

▼アルコールとたばこを控える 0.16 トン
アルコールとタバコの消費量をゼロにし、タバコが原因となる医療サービスが不要になった場合。

▼娯楽用品を長く使う 0.11 トン
エンターテインメント・スポーツ・ガーデニングなど娯楽に関する製品を長く使うことで、1年あたりの購入量を4分の1まで削減した場合。

▼旅行サービスをエコに 0.09 トン
旅行先で、エネルギー消費の多い宿泊施設などを利用せず、代わりにアウトドア・キャンプなどで過ごした場合。

▼消耗品を節約する 0.09 トン
消耗品(化粧品・衛生用品・台所用品・文房具)を節約し、1年あたりの購入量を半分余り削減した場合。

▼小型家電を長く使う 0.05 トン
小型家電を長く使うことで、1年あたりの購入量を4分の1まで削減した場合。

▼装飾品を長く使う 0.03 トン
バッグ・ジュエリーを長く使うことで、1年あたりの購入量を4分の1程度まで削減した場合。

▼家具を長く使う 0.03 トン
家具を長く使うことで、1年あたりの購入量を5分の1近くまで削減した場合。

▼電子書籍の利用 0.02 トン
印刷された本や雑誌を利用せず、代わりに電子書籍を利用した場合。

情報ソース NHK


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