2021/09/12 05:54

新しい習慣を身につけ、それを長続きさせるには、目的と目標を明確にすることが重要である。目標とは、ここまで成し遂げたいと思う地点のこと、目的とは、目標を成し遂げるべき理由のことだ。

何かをするときには、目的と目標を明確にする。一見当たり前のことのように思えるが、何をやっても長続きしない人は、実はここがうまくできていない可能性がある。つまり、目的がわかっていなかったり、適切な目標が設定されていないのだ。

まず目的について見ていくことにしよう。モチベーションを維持するためには、自分がそれをする理由、つまり目的を明確にし、何をしたいのか、なぜそれをするのかをとことんまで突き詰める必要があると、ジム・クウィック氏は言う。物事は、目的が明確でないとやり遂げられない。逆に、そこがハッキリしていれば、障害に直面しても、行動する強い動機を与えてくれる。

では、その目的は、本当に理解できているだろうか。よく「現に何かをしたいと思っているのだから、そんなことは考えるまでもなく明確だ」と思ってしまう人もいるが、実はそうとも限らない。

たとえば健康な老人が早朝から運動をするのは、「運動が好きだから」だろうか。「家族と長く過ごすために健康でいたいから」が本当の目的なのではないか。同じく、優秀な学生が教科書を開くのも「本を読みたいから」ではなく、自分の憧れの業界で働くチャンスをつかみたいという明確な理由があるからに違いない。

自分が本当に「こうしたい」「こうなりたい」という目的がないと、モチベーションは続かないし、なかなか最後までやり遂げられない。三日坊主に終わる人は、意外にこの「真の目的」を自覚できていない可能性が高い。

何を始めるにせよ、まずは「なぜ、自分はこれをやるのか」という問いを掘り下げて、その目的を明確にしよう。

自分はどんな目的でそれをするのか。成し遂げるべき理由が明確になったら、次は、ここまで成し遂げたいという目標を明確にする番だ。

成し遂げたい目標は、「週に1冊の本を読む」であったり、「痩せる」であったりするだろう。だが、漠然と立てた目標では、挫折したり、たとえ達成しても満足が得られない恐れがある。適切な目標は、どうやって立てれば良いのか。 

人気の高い方法として、「SMART(賢く)」という目標設定のメソッドがある。次の5つのポイントを意識して目標を設定するのだ。

・Specific(具体的)
目標を具体的に定める。「金持ちになりたい」ではなく、「〇〇万円稼ぎたい」とする。
・Measurable(計測できる)
目標を数字で測れるもので管理する。「痩せる」ではなく「1kmを〇分で走る」とする。
・Actionable(実行できる)
知らない街を闇雲に運転するのは危険だ。何をやればいいかがわかるように、目標達成に向けた行動計画を練ろう。
・Realistic(現実的)
目標は大きいほうが良いが、大きすぎて挫折しない現実的な線を見定める。
・Time-based(期限がある)

目標とは、締め切りのある夢と考える。
これらを意識して自身の目標をより具体的に設定することは、三日坊主で終わらせないために非常に効果的だ。

「SMART」は合理的な目標設定の考え方だが、やや「理念先行」になってしまうところもあり、つまずく人もいるかもしれない。そこで登場するのが次の「HEART(心)」だ。これは、その目標が本当に自分の心に響くものなのかどうかという側面からも検証しておく手段であり、これをチェックしておくことで、理念に実効性を伴わせることができる。

・Healthy(健康的)
その目標は自分を健康で幸せにしてくれるか。
・Enduring(持続的)
挫折しそうな時でもはげまされ、続けられるものか。
・Alluring(魅力的)
楽しく、心躍る、興味をそそられるものか。
・Relevant(関連がある)
人生の目的や中核的な価値と関連づいているか。
・Truth(忠実である)
周囲に影響されるのでなく、自分の本心が望むことか。

「HEART」に適合するということは、自分の心に響く目標だということだ。ということは、埋もれていた自分の本音を再発見し、喜びに火がつくということ、つまり、情熱を見つけるということでもある。

何をやっても三日坊主に終わったり、目標を達成できずにいる人は、そもそも「自分が本当にやりたいことは何か」という目的が見えていなかったり、立てた目標が不適切だった可能性が高い。ぜひ参考にしてほしい。


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