2021/06/08 06:25



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ひでどん(@komatu00713)です。

米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOは、環境への負荷が大きいことを理由に、同社は今後ビットコインでの支払いを受け取らない方針を明らかにした。紙も金属も使わない仮想通貨が、環境への負荷が大きいとは一体どういうことなのだろうか。

 マスクCEOは、ビットコインには「有望な未来があるものの、環境に大きな犠牲を払うことになってはならない」と述べた。

 何が問題なのか、と思われる方も多いだろう。ビットコインは仮想通貨だから、紙やプラスチック、あるいは金属は一切使っていない。

 だが、高性能コンピューターが他のマシンと競争して複雑な数学的パズルを解くことで作られる。これはエネルギー集約型のプロセスであり、化石燃料で発電された電力に依存する場合が多い。

 また、需要の増加と価格の上昇により、より多くの採掘者がビットコインを獲得するために競い合っている。その結果、エネルギー消費量の多い強力なコンピューターが使用されるようになった。

 英ケンブリッジ大学と国際エネルギー機関によると、ビットコインの「採掘」(取引データの承認作業)に伴うエネルギー消費量は、現在のレートだと2019年のオランダの年間消費量に匹敵するという。また科学誌に掲載された論文によると、ヨルダンやスリランカと同程度の温室効果ガスを排出するという。

 ケンブリッジ大学によると採掘業者の7割は、中国が占めるという。中国の採掘業者は、雨季は水力発電を使うものの、それ以外の季節は石炭など化石燃料を使用する傾向がある。

 世界各地でビットコインをより環境にやさしいものにして、主要な投資家に受け入れられるための方法を模索している。ブロックチェーンの分析会社によると、ビットコインの出所を追跡することは理論的に可能で、環境にやさしいビットコインにプレミアムが付く可能性もある。

 また一部の仮想通貨支持者からは、大勢の従業員を抱え、エアコンの利いたオフィスにコンピューターを設置する既存の金融機関の方こそ、大量のエネルギーを消費していると反論する声もある。

 中国の採掘者の間では、割高な再生可能エネルギーに転換しようという機運は乏しく、ビットコインの環境面の課題は早期に解決しそうにないのが実情だ。


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