2021/04/28 07:22
いつもお読みいただきありがとうございます。
ひでどん(@komatu00713)です。
「エコシステム」という言葉を最近よく耳にするかと思いますが、「エコシステム」とは一体どういう意味なのかみなさんご存知でしょうか?
たとえば、「Appleのエコシステム」のように企業名で語られたり、「IoTのエコシステム」や「ビットコインのエコシステム」のように概念として語られることもあります。
もともとは生物学の言葉だった
エコシステムという言葉は、もともとは生物学の言葉でした。おなじみの生物が暮らす環境や性質、そしてその繋がりをまるっと意味する「生態系」を英訳するとEcosystemとなります。
たとえば、海の波打ち際を見てみるとイソギンチャクや小さなカニ、ヒトデ、二枚貝、ヤドカリ、小魚、海藻…と無数の生き物が見つかります。
これらの生物はお互いに必要としあっていて、たとえば小さく区切ったところからイソギンチャクだけをすべて取り除くと、生態系が崩れてその中の生物が全滅することもあります。
すなわち、これが、エコシステムです。
ビジネスの生態系
生態系には、2つの方向があります。ひとつは「直接的な関係」そしてもうひとつが「間接的な関係」です。
直接的な関係とは、たとえばカニと小魚のような「食うもの・食われるもの」のように、一方にとってもう一方が「なくては生存できない」という直接的な関係のことをこう呼びます。
そして、間接的な関係とは、イソギンチャクとヤドカリのような関係です。ヤドカリはイソギンチャクを背負うことで天敵から身を守り、イソギンチャクはヤドカリに乗ることで移動できるようになって、より多くのエサにありつくことができます。お互いにとって必要不可欠な関係ではなく、共生関係を築いている場合に「間接的な関係」と呼びます。
これをビジネスに置き換えてみましょう。
たとえば、Appleとフォクスコンは「メーカーとサプライヤー」という関係で、お互いに直接的な依存関係にあります。フォクスコンはAppleからパーツを発注されないと仕事がなくなりますし、Appleはフォクスコンがパーツを作らなければiPhoneを販売することができません。これは「直接的な関係」です。
このような経済構造を「垂直統合型」と呼びます。たとえば自動車業界にこの傾向が顕著です。ボディ、シート、エンジン、塗装、組み立て、販売流通と各セクションにそれだけを担当する企業があり、それらが垂直につながることで、メーカーは車を売ることができます。
わかりやすい例が、スマートフォンとアプリです。
スマートフォンが売れればアプリが必ず売れるわけではありませんが、スマートフォンが売れることでアプリが売れる可能性が広がります。同時に、アプリが人気になり売れることで、スマートフォンが売れるという逆の現象も起こりえます。
この場合、スマートフォンを製造するメーカーとアプリを開発するデベロッパーの間に直接的な金銭のやりとりがないことがポイントです。直接的な関係はないのに、お互いの売上が影響しあって両方が売れるという環境が生まれています。
最近話題のIoTで言えば、AIスピーカーの売上は直接的にスマート照明の売上に影響しませんが、AIスピーカーが普及することでスマート照明を購入しようと考える消費者が増えるようになります。
逆に、スマート照明を購入しようと考える消費者が増えれば、同時にAIスピーカーを購入しようと考える消費者も増えます。この場合も、AIスピーカーのメーカーはスマート照明のメーカーにお金を払って「開発させている」のではないのがポイントです。
ビジネスに於いては使われる「エコシステム」は、相乗効果をもたらす「相違相愛」の仲と言っても過言ではないでしょう。
今後「エコシステム」は、ビジネスにおける重要キーワードとなっていきます。
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