2021/04/02 06:56

いつもお読みいただきありがとうございます。

ひでどん(@komatu00713)です。

コロナ禍において、毎日のように感染者数を報道していますが、何か違和感を感じますよね。なぜ東京都だけ公表するのか?確かに人口も経済規模もずばぬけていますが、都道府県別に公表すると、日々の感染者はそうでもないです。しかし、毎日緊急速報で、『東京都の感染者数』を公表すると、なぜか身近に感じてしまい危機感を覚えます。

それが、正しく【数字のマジック】なのです。

商品の値段やその効果、そして使用者からの評価まで、わたしたちの消費活動の中のさまざまなところに数字が使われています。もちろん数字は“世界共通の言語”とも言われるほど絶対的なものですから、その「意味」を取り違うことはほとんどないはずです。

ところが、少し表現を変えるだけで、その数字から与えられる印象が大きく変わってしまうことがあるのです。そして、時にはその数字によってわたしたちはだまされてしまうこともあります。

例えば

A:この手術は99%の確率で命に別状はありません

B:この手術は1%の確率で死亡します

 以上の2つの文章は、同じことを言っています。しかし、どちらの文章の方が恐怖感を覚えるでしょうか。多くの人は「B」と答えるでしょう。

 こうした同じ確率であるのにもかかわらず違った受け取られ方をすることを、行動経済学では「プロスペクト理論」として研究されています。この場合、「99%で生存」と「1%で死亡」は同じことですが、死亡という言葉に引っ張られて恐怖を抱くようになります。人間は得をするよりも、損をすることに過剰反応してしまうものなのです。

「99%は成功」と聞くとちょっと安心してしまいますよね。しかし、本当に問題ないかというと、実はそうではありません。

99%という数字は「ほぼ100%」と同じと思ってしまいがちですが、実はそうではありません。1%は意外と多いのです。

数字がないときは楽観的に考えてしまう傾向もあります。

「オープンカー効果」を知っていますか? これは、無意識のうちに楽観的に考えてしまう人間の心理です。あなたは貯金をはたいて、昔から欲しかったオープンカーを購入することになりました。そして、穏やかに晴れた日。気持ちの良い風を浴びながら…そんなドライブシーンを想像するはずです。

しかし、1年のうち、絶好のオープンカー日和といえる日はどれくらいあるのでしょうか。暑すぎる夏や寒い冬はもちろんNG、雨の日は幌をかぶせて運転はできますが、オープンカー日和とはとてもいえません。曇りの日も……と考えていくと、気持ちよく晴れ、適温な日は20%にも満たないのです。しかし、オープンカーを購入する人は、この確率をもっと高く感じていると言います。

こうした心理的な効果は、悪用されやすい部分があります。目の前にある商品や前から欲しかった商品も、実はこうしたバイアスがかけられた上で、陳列されている可能性があります。

数字を正しく理解し、正しく解釈することは、賢く生活していく上で重要なこと。目の前にある数字のイメージに惑わされないようになりたいですね。


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