2021/02/23 06:15



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ひでどん(@komatu00713)です。

何かと食べ物の中でも重宝するのが、『卵』。生でよし茹でても、焼いてもも良しの万能な食べ物ですが、何気に賞味期限はほんとはいつまでOKなのか分かりません。パックや卵自体に印字されてる場合が多いですが、実際の賞味期限より短く表示されています。

「たまごの賞味期限は科学的な根拠をもとに決めています」

 そう話すのは日本養鶏協会アドバイザーの信岡誠治氏。鶏卵日付等表示マニュアル改定検討委員会の「鶏卵の日付等表示マニュアルー改訂版ー」には、「鶏卵を生食できる期限の算出根拠」として、公式が明記されている。

「1994年にイギリスのハンフリー博士らの研究から、たまごの温度と保存期間の関係を調べた膨大なデータにより生まれた公式があります。その式でたまごが安全に食べられる期間を算出しています。これは、卵黄膜が劣化し破れるまでの期間のことなのですが、たまごは卵黄膜が破れると急激に劣化してしまいます。卵黄膜は温度上昇に比例して早く破れますので、最も早く破れる恐れがある夏場に合わせてスーパーなどで売られているたまごの賞味期限は設定されています」(信岡氏、以下同)

 冬場であれば記載されている日付よりももっと長く賞味期限が持つということだ。たまごを保存する温度が10℃であれば2か月程度、20℃であれば1か月程度は持つという。だが、28℃の場合は16日程度のため、各家庭の保存状態がわからないことやリスクを考慮し、安全に食べられるよう短めに賞味期限が設定されているということなのだ。

賞味期限はあくまで“生食できる期間”
 とはいえ、賞味期限を忠実に守る私たちにとって、賞味期限を過ぎたものは食べられないかというとたまごの場合決してそんなことはない。

「基本的には、腐ったら食べられないと判断してください。腐るとものすごい臭いがします。恐らく嗅いだことがある人はほとんどいないと思います。臭いがして腐っているとわかる場合には食べてはいけません。しかし、賞味期限を過ぎていても、腐っていなければ70℃で60秒加熱するとサルモネラ菌が死にますので、食べても問題ありません。賞味期限はあくまで“生食できる期間”と捉えてください」

 基本的には腐っていなければ、加熱することで殺菌できるという。

そもそもたまごは私たち消費者がスーパーやコンビニで手にするまでには、厳しい品質管理を経ているという。



「食中毒の原因となるサルモネラ菌は2,500種類もあるとされていますが、そのうち食中毒を起こすものは2種類(SEとST)と言われています。この2つのサルモネラ菌を徹底的にたまごの内側と外側から排除する必要があります。たまごの外側は消毒するしかありませんが、問題なのは内側です。たまごを産む鶏の体内にサルモネラ菌がいればたまごに入ってしまいますから、養鶏農場の現場では食べるエサや水にもヒナの段階から気を遣いサルモネラフリーを徹底しています。さらに、卵を扱う人も毎月1回は検便をするなど徹底してサルモネラ菌を排除するようにしています。究極的な方法として、人間が一切触らないでたまごを採卵し、パック詰めして配送ができるシステムも稼働をしています。

 日本では、スーパーや量販店で流通するたまごはすべてパッキングセンターにて洗卵・殺菌・検卵されています。その際、洗浄水及びすすぎ水は、150ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液又はこれと同等以上の効果を有する殺菌剤を用いて殺菌消毒を行っています。

 これは食品衛生法を基づくもので、洗卵水の温度(基準は40℃以上だが、実際は50℃以上)や使用する殺菌剤の濃度も、定期的に確認し、記録しています」

 ひと昔前のように、たまごにフンやごみが付いたものをパック卵では見かけないのはそういう理由からだ。そのため、「殻の表面にはサルモネラ菌がついているから危険」というのは昔の話なのだそうだ。さらに、「常温で保存する方がたまごは長持ちする」というのも昔の話。

「洗浄する前のたまごの殻には表面にはクチクラ層という薄い膜がついていて、この膜には細菌がたまごに入るのを防ぐ効果があります。しかし、現在ではたまごを出荷前に洗浄・消毒していますから、その膜は取れてしまうのです。そのため、必ず冷蔵庫に入れて保管するように表示し、万一細菌が付着しても細菌が増殖しないようにしています」

 海外では日本のようにたまごを消毒するルールは徹底していない。日本では生たまごを食べる文化があるが、諸外国ではたまごを生で食べることはタブーとされているのはそういう理由からだ。


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